僅か30センチの恋
涼美「リト、この間
うちに来た時から
本当に変だよ。どうしたの?」
俺はスズの問いかけを無視し
車を走らせた。
涼美「ねぇ、聞いてる?
てか、どこ行くの?」
しばらくの間、聞いてる?とか
どこ行くの?とか繰り返していた
スズだったけど諦めたのか
大人しくなった。
信号待ちの間に助手席を見ると
スヤスヤと眠っていた。
知ってる。スズが車の中で
眠る事くらい。助手席に乗ってると
眠くなるんだっけ。
だから、わざわざ朝早くに迎えに行った。
その場所に着くまでは
秘密にしておきたかったから。