僅か30センチの恋
涼美「何で何も言わないのさ!」
李人「俺は多分望んでないよ。
たった1つの拠り所しか欲しくない。
俺の隣はその日が来るまで空けておく。」
きっとスズには分からないだろう。
恋に恋するスズには。
次から次へと恋人が出来るスズには。
でも、心配そうな顔をしながら
俺に聞いた。
涼美「リトは幸せなの?
一人ぼっちでも幸せ?」
李人「1人じゃないから幸せだよ。」
涼美「1人じゃないの?」
李人「スズがいる。聖夜がいる。
明穂ちゃんもいるし、飲みに行く
同僚だっている。父さんとお袋。
おじちゃんとおばちゃん。
俺は1人じゃないから幸せだよ。」
それ以外は何も望まない。
スズが隣にいてくれさえすれば
ただそれだけで幸せなんだ。
例え、この想いが届かなかったとしても。