僅か30センチの恋
笑顔がお似合いだ
珍しく定時で仕事を終えた俺が
総務部へ向かうと喫煙所の中から
聖夜が片手をあげた。
タバコの火を消し廊下に出てくると
聖夜のその匂いが鼻を掠める。
聖夜「お、珍しい。
今日は定時か。今日も2時間は
待つかなーって覚悟してたのに。」
李人「たまには定時で帰らせろ。」
聖夜「いつもの所でいい?」
李人「うん。」
俺たち行きつけのお世辞にも
綺麗とは言えない居酒屋の
扉を開けると、今日も
相変わらず客はまばらだった。