僅か30センチの恋

聖夜「俺がお前を殴ったって
何も変わらないだろ。
つか、今はお前に感謝してるから。」

李人「何で?」

聖夜「お前がキッパリハッキリ
三谷さんを振ってくれたおかげで
昨日、付き合えた。」

李人「え?」

聖夜「まあ、当分はお前の代わりに
なるんだろうけど、別にそれでいい。
何よりも大切なのはそばにいる事だろ?」

李人「ああ、まあな。」

大きな音で手を叩いた聖夜は
満面の笑みで俺に言った。

聖夜「て事で、協力してやる。
スズちゃんの気を引く方法。
思い付いてるから。」

李人「何?」

聖夜「それは今日の夜って事で。
もちろんお前の奢りな!」

いい様に利用された様な気もするけど
俺では思い付かなかったアイデアを
聖夜は必ず持っている。

ずっと見てきたから分かる。
聖夜は努力を惜しまない人だから。
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