僅か30センチの恋
聖夜「そこから抜け出す方法は
1つしかない。別の人と付き合って
幸せな姿をスズちゃんに見せ付けて
嫉妬させる事だ。
あ、もちろん多田さんと本気で
付き合う訳じゃないよ。
偽彼女ってゆーか、とりあえず
スズちゃんの前限定の恋人役。」
李人「...なんとなくは分かった。
でも、彼女に申し訳ない。
何よりも...」
言葉を続けようと思ったら
ずっと黙っていた多田さんが
それを遮った。
多田「私はいいんです。」
李人「どうして?」
多田「木山さんの気持ち分かるから。
私もずっと片思いしてる人がいるんです。
同じ部署の宮内さんって人なんですけど
同期入社でずっと友達だったから
私もいまいちそのポジションから
抜け出せなくて...これは
私のためでもあるんです。」