アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
急いで着替えた朱鳥は、緋色の袴の裾を掴んで全力で走る。
音を立てるとまた叱られるので、ひたひたと滑るように走った。
「ひ、姫さま」
女房たちは、必死で転びそうになりながら息を切らして姫に付いていく。
ドタドタと賑やかに女房たちが渡り廊下を走る音が聞こえ、
北の方は、「ああ」とまた頭を抱えた。
このやかましい音の原因は、考えるまでもない。
「おかあさま、お呼びですか」
北の方の予想通り、先頭に現れたのは朱鳥だった。
小言を言うつもりでいたが、人懐っこい笑みを浮かべニッコリと目を細める娘を前にすると、北の方もどこから注意したらいいのかとわからなくなる。
軽い目眩に襲われて、フラッと脇息に寄り掛かった。
音を立てるとまた叱られるので、ひたひたと滑るように走った。
「ひ、姫さま」
女房たちは、必死で転びそうになりながら息を切らして姫に付いていく。
ドタドタと賑やかに女房たちが渡り廊下を走る音が聞こえ、
北の方は、「ああ」とまた頭を抱えた。
このやかましい音の原因は、考えるまでもない。
「おかあさま、お呼びですか」
北の方の予想通り、先頭に現れたのは朱鳥だった。
小言を言うつもりでいたが、人懐っこい笑みを浮かべニッコリと目を細める娘を前にすると、北の方もどこから注意したらいいのかとわからなくなる。
軽い目眩に襲われて、フラッと脇息に寄り掛かった。