アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「大丈夫ですか? おかあさま」
「ええ、大丈夫ですよ。
姫、あなたは何をしていたの?」
「天女の舞を練習しておりました」
「適当でいいのですよ。
五節の舞姫ならいざしらず、白拍子のような真似をさせるなんて左大臣さまもどうかしていらっしゃる」
「そんな、おかあさま、私は楽しみですよ。
以前にも申しましたが私は舞師になりたいんですもの」
「また、そのようなことを。
普通ならもうとっくに結婚して子をもうけ、落ち着いている年頃だというのに、
あなたはどうしてそうなのですか」
――だって、そんなのつまらないもの。
朱鳥はそう答えたいが、言えば益々母の怒りをかうことになる。
仕方がないので言葉を口の中で留め置いたが、そのぶん頬がパンパンに膨れあがった。
そのまま上目遣いで母を見ると、母は眉をひそめて睨んでいる。
朱鳥はシュンとして俯き、頬の膨らみを指で押して直した。
「ええ、大丈夫ですよ。
姫、あなたは何をしていたの?」
「天女の舞を練習しておりました」
「適当でいいのですよ。
五節の舞姫ならいざしらず、白拍子のような真似をさせるなんて左大臣さまもどうかしていらっしゃる」
「そんな、おかあさま、私は楽しみですよ。
以前にも申しましたが私は舞師になりたいんですもの」
「また、そのようなことを。
普通ならもうとっくに結婚して子をもうけ、落ち着いている年頃だというのに、
あなたはどうしてそうなのですか」
――だって、そんなのつまらないもの。
朱鳥はそう答えたいが、言えば益々母の怒りをかうことになる。
仕方がないので言葉を口の中で留め置いたが、そのぶん頬がパンパンに膨れあがった。
そのまま上目遣いで母を見ると、母は眉をひそめて睨んでいる。
朱鳥はシュンとして俯き、頬の膨らみを指で押して直した。