アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
西園寺家の嫁としてふさわしい女性。自分の嫁としてふさわしい女性。
それはその女性のバックグラウンドが重要ということなのか。それとも見た目のことなのか。聡明さを求めるべきなのか。
あるいはその全部ということかもしれないと思ったが、その女性の姿は霞がかかったようで実体として感じられない。

――僕の妻か。

素敵な妻。大切な、愛おしい妻。

影でしか浮かばないその妻に、洸は問いかけた。


――君はいったい誰なんだ……。
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