アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「履いてみて、サイズは一昨日買った靴と同じだから合うとは思うけど」

「はい」と頷いた飛香が早速履いてみれば、案の定サイズはぴったりだ。
「すごいーー! すごい素敵です。
 でも私にはこの素敵な靴を履く機会があるかなぁ? あ、そうだ、洸さん結婚式には私も兄と一緒に呼んでください。そうしたらこの靴が履けます」

ようやく立ち直ろうとしている睡眠不足の頭を、ゴンと叩かれたように洸は一気に不愉快になった。

「だったら、その靴を履いて、僕の隣に立ってみる?」


――え? 僕は今、何を言ったんだ?


飛香はツツツと洸の隣に来て並んだ。

「うふふ。どうですか?」

洸は、飛香の前に移動すると、飛香の手をとって片膝を床についた。
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