アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
告白を聞いたアラキは『そうですか』と、静かに頷いた。馬鹿な話だと笑うわけでもなく、本当の話ですか?と確認もしなかった。

――どう思っただろう。

『ここにいるはずの本当の飛香と、平安の都にいた自分の魂が入れ替わったんです』

信じてもらえなくても当然な話である。
『西園寺家の皆さんには、今の話を言ってもらっても構わないです』

『いえ、私は言うつもりはありません。万が一、その必要を感じたときは飛香さんにお知らせしてからにします』

アラキはどこまでも誠実にそう言った。
ありえないとは思いつつも、そのアラキの様子から、もしかすると信じてくれたのかもしれないと思った。

――洸さんが知ったら、どう思うだろう?
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