アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
天の川は見えないかもしれないが、こんな景色もいいだろう?と。

『こんなに明るくては鬼も出るに出られないですね』

多分飛香はそんなことを言って、クスっと笑うのだろう。

『だったら、その靴を履いて僕の隣に立ってみる?』

どうしたあんな戯言を言ったのか、自分でもよくわからない。

――妹がいればよかったな。飛香のような妹が。

母に頼んでみようとかと想像し、激怒されるのがオチだと早くもあきらめた。

――残念だ。
あんな風に可愛い妹がいたならば、溢れる愛情で愛おしむことができるのに。
可愛いがることができるだろうに……。
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