アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
最後に残ったアラキも、微かな笑みを残し扉の向こうに消えてゆく。

ポツンと宙に浮いたのは、飛香に向かって振り返した手。

バタッとその手を下ろし、洸は倒れ込むようにまたベッドに横になった。


――寝よう。

目が覚めた時には、いつもと同じ朝が待っているに違いない。

――何も問題ない。
全ては夢だ。熱がもたらしたただの夢。
朝になれば、きれいさっぱり忘れる。

だから大丈夫……。
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