アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
偽者の相手とはいえ今回のお見合いが不調に終わったと聞いた時、やはりという思いとは裏腹に、心の半分ではこのまま順調に運んでほしいとも思っていたのである。恋愛ではなくそういう形での結婚は、西園寺家にとっても会社にとっても大きな意義がある。
――ただし。
彼にとってそれが幸せかどうかは、わからないが。
「僕も楽しみだよ」
まるで他人事のようにそう答えた洸は、フッと口元を歪めて大きく手を伸ばした。
「すっかり体がなまったな。寝込んだのはたった一日なのに」
『大丈夫ですか?』
ふと思い出す飛香の心配そうな顔。
『私を迎えに来てくれる貴公子は五歳上までと決まっているんです。残念!』
やはり病み上がりのせいなのか、脳裏に浮かぶ飛香を笑い飛ばす元気は出てこなかった。
――ただし。
彼にとってそれが幸せかどうかは、わからないが。
「僕も楽しみだよ」
まるで他人事のようにそう答えた洸は、フッと口元を歪めて大きく手を伸ばした。
「すっかり体がなまったな。寝込んだのはたった一日なのに」
『大丈夫ですか?』
ふと思い出す飛香の心配そうな顔。
『私を迎えに来てくれる貴公子は五歳上までと決まっているんです。残念!』
やはり病み上がりのせいなのか、脳裏に浮かぶ飛香を笑い飛ばす元気は出てこなかった。