アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
――なんなんだ?
底知れぬ努力と情熱で創業者一族という色眼鏡を吹き飛ばし、彼こそが次のリーダー、時代の寵児ともてはやされ尊敬の眼差しを一身に浴びているはずの西園寺洸の発言なのか? 今の発言は?

呆れながら鈴木は首を傾げた。

洸はといえば既に立ち上がってどこかに電話をかけている。

「アラキ? ちょっとお願いがあるんだけど」

――え?
てっきり家に帰ってから相談するのだろうと思っていたのに、驚いたことに洸はすぐにアラキに電話をかけている。

「え? ああ、なるほど。うんうん、任せる」

電話を切った洸は、「さすがアラキだ」と鈴木にウインクをしながら親指を上に向けた。
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