アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
少し後ろから歩いているので顔は見えないが、お疲れさまと言う声がより一層優し気である。
車に乗ってからも、ここ最近は力なくぼんやりと外を見ているか目をつぶっていることが多かった。
だが今は違う。
「鼻歌を歌いましたよね?」
「え? そうだった?」
――ではその足はなんですか?
車内に流れているクラシックは軽快な曲とは言えないのに、組んだ足の先を曲に合わせてゆらゆらと揺らしているではないですか。
見てはいけないものでも見てしまったように、鈴木はまっすぐ前を向いて眉をひそめた。
これはもう……。
原因は藤原飛香としか考えらない。
車に乗ってからも、ここ最近は力なくぼんやりと外を見ているか目をつぶっていることが多かった。
だが今は違う。
「鼻歌を歌いましたよね?」
「え? そうだった?」
――ではその足はなんですか?
車内に流れているクラシックは軽快な曲とは言えないのに、組んだ足の先を曲に合わせてゆらゆらと揺らしているではないですか。
見てはいけないものでも見てしまったように、鈴木はまっすぐ前を向いて眉をひそめた。
これはもう……。
原因は藤原飛香としか考えらない。