アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
今も変わりなく輝き、飛香の顔を映しているが、この鏡が持つ力は別にあった。

この鏡を通して時々平安の都の兄、蒼絃の魂がやってくるのである。そして蒼絃は現代の兄碧斗の中に入る。

いつ“それ”があるのかは飛香にはわからない。

碧斗によれば鏡から強い力を感じた時がその時なのだというが、その力は碧斗にしか感じ取れないようだった。
半年に一度くらいの間隔で蒼絃はやってくる。そして長ければ一週間。その間ふたりのアオトが体を共有する。

目の前にいるのがどちらのアオトであるか。微かな目元の変化で飛香と両親だけはわかるが、他人が識別することは無理だろう。

それとは別に、時折鏡を通してふたりのアオトは会話をしているらしい。らしいというのはその場を飛香が目撃したことはないからだが、つい最近もそんなことがあったようだった。
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