アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「ついでに護身術もできる人とかいる?」

『突然客に襲われても大丈夫なように、うちの従業員には護身術は教え込んでいるけど。そうだなぁ、たとえばどこだ?雇い先は』

「藤原碧斗。あいつ親父さんが別荘で静養中で、妹とふたりで暮らし始めたんだ。今度家元になるらしくてね」

『ふーん』

「で、その妹に英語を教えつつ、護身術も教えつつ、家事をやってもらうメイドがほしいわけ」

『あぁーあの平安オタクの美人な妹か、ちょうどいい子がいるよ。歳も同じくらいで引っ込み思案の大人しい子が。コスプレが趣味なオタクだから話も合うんじゃね』

「平安オタクってなに、仁、飛香のこと知ってるの?」

『パーティで会ったじゃないか。碧斗と一緒に出て舞を演じたあの子だろ? あの時そんな話してたよな。それにお前と一緒に来てたじゃないか、青扇のコスプレパーティ』

「ああ、そうだそうだった。実は飛香が今日からうちで働いているんだよ。行儀見習いついでにアラキの手伝いで」

『へぇー』

「ま、そんなわけだからその時はよろしく。じゃまた」

『ん? あ、ああ。じゃあな』
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