アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「なんとかまとまりましたね」
会議室を出てすれ違う社員たちの挨拶に軽く答えながら、洸と鈴木は廊下を進んだ。
「ああ、ない時間の中でよくやってくれた」
「これで彼らも心置きなく休みがとれるでしょう。そういえば常務はいつ取ります?」
「ん?」
「夏季休暇。去年はバタバタしていましたから一日しか取れなかったと思いますが」
「何日あるんだっけ? 夏季休暇って」
役員ということもあるだろうが、仕事人間の彼はあらためて休暇のことなど考えたこともないのだろう。
眉をひそめて真面目に聞き返す上司が、鈴木には可笑しかった。
「三日です。有休を合わせて一週間休む社員も今年は多いです。積極的に休むよう通達してありますのでね。役員も最低三日は休むようにと言われています」
「いつでもいいの?」
「ええ、私は今のところ予定を決めておりませんし。常務の休暇と被らないように取らせて頂きますので」
会議室を出てすれ違う社員たちの挨拶に軽く答えながら、洸と鈴木は廊下を進んだ。
「ああ、ない時間の中でよくやってくれた」
「これで彼らも心置きなく休みがとれるでしょう。そういえば常務はいつ取ります?」
「ん?」
「夏季休暇。去年はバタバタしていましたから一日しか取れなかったと思いますが」
「何日あるんだっけ? 夏季休暇って」
役員ということもあるだろうが、仕事人間の彼はあらためて休暇のことなど考えたこともないのだろう。
眉をひそめて真面目に聞き返す上司が、鈴木には可笑しかった。
「三日です。有休を合わせて一週間休む社員も今年は多いです。積極的に休むよう通達してありますのでね。役員も最低三日は休むようにと言われています」
「いつでもいいの?」
「ええ、私は今のところ予定を決めておりませんし。常務の休暇と被らないように取らせて頂きますので」