アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
夏の日の出は早く寝覚めも早い。心躍らせることが待っているならば猶更だ。

洸の部屋は二階の東南の角にある。

目を覚ますと、真っ直ぐに東の窓に向かいカーテンを開けた。

窓辺に立てば東にある西園寺家の門が見えるし、門から続くアプローチを歩く飛香も見えるはず。

日傘をさして歩いてくるのか、帽子を被ってくるのだろうか。服は?バッグは?勝手な想像をして少しの間楽しんだ。

だが、今はまだ六時。このまま飛香を待つにはまだ早すぎる。

とりあえずシャワーを浴びて、持ち帰った仕事を始めた。

「おはようございます」

アラキがバターコーヒーを持って入ってくる。

「おはよう」
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