アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「失礼します」
扉を閉じると、飛香は高鳴る胸に手を当ててため息をつく。
――どうしよう。
トボトボと向かった先は、邸の奥。台所の隣にある管理用の事務室だ。
扉は空いている。
アラキは電話をしていた。受話器を片手に「はい。わかりました」と話しながら、飛香に振り向き口の端で微笑みかけた。
壁側に並ぶのは、監視カメラ小さなモニターの数々、様々な書類が並ぶキャビネットや棚の備品。
アラキの邪魔にならないように音を立てずそっと座った席は、アラキが飛香のために用意してくれた。机の上にはパソコンがあり、その脇には入力を任されている伝票などがある。
間もなくアラキは電話を切った。
「何か頼まれましたか?」
「はい。スキャナーを使ってのお仕事を頼まれました」
「そうですか。では今日の仕事はそちらを優先してください」
「はい」と答える飛香には戸惑いの影がある。
アラキはそれに敏感な反応を示し、隣の椅子を引く。
「とりあえず、お茶にしましょう」
扉を閉じると、飛香は高鳴る胸に手を当ててため息をつく。
――どうしよう。
トボトボと向かった先は、邸の奥。台所の隣にある管理用の事務室だ。
扉は空いている。
アラキは電話をしていた。受話器を片手に「はい。わかりました」と話しながら、飛香に振り向き口の端で微笑みかけた。
壁側に並ぶのは、監視カメラ小さなモニターの数々、様々な書類が並ぶキャビネットや棚の備品。
アラキの邪魔にならないように音を立てずそっと座った席は、アラキが飛香のために用意してくれた。机の上にはパソコンがあり、その脇には入力を任されている伝票などがある。
間もなくアラキは電話を切った。
「何か頼まれましたか?」
「はい。スキャナーを使ってのお仕事を頼まれました」
「そうですか。では今日の仕事はそちらを優先してください」
「はい」と答える飛香には戸惑いの影がある。
アラキはそれに敏感な反応を示し、隣の椅子を引く。
「とりあえず、お茶にしましょう」