アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
アラキはテーブルの上にあるポットからカップにコーヒーを注ぐ。まだ淹れて間もないコーヒーからは芳醇な香りが立ち上った。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「どうしました? 交際でも申し込まれましたか」
何を言わずとも大きく見開いた飛香の瞳が、その取りだと答えた。
交際どころか、結婚したいと言われたのだから動揺は隠しきれるものではない。
実はアラキが受けていた今の電話は、洸からの内線電話だった。
今から藤原碧斗に会いに行くという内容の話だった。
短い電話なので多くの説明はなかったが、飛香と結婚を前提に交際したいと言いにいくとだけ、洸は短く言った。
「あの、洸さんは私が過去から来たことは」
「私からは何も」
左右に首を振るアラキに「――そうですか」と、答えた飛香はそのまま俯く。
飛香の心配事がその点であるとすれば、少なくとも彼女は前向きに受け止めたということになるのだろうか?
そう思いながら、アラキはゆっくりと語りかけた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「どうしました? 交際でも申し込まれましたか」
何を言わずとも大きく見開いた飛香の瞳が、その取りだと答えた。
交際どころか、結婚したいと言われたのだから動揺は隠しきれるものではない。
実はアラキが受けていた今の電話は、洸からの内線電話だった。
今から藤原碧斗に会いに行くという内容の話だった。
短い電話なので多くの説明はなかったが、飛香と結婚を前提に交際したいと言いにいくとだけ、洸は短く言った。
「あの、洸さんは私が過去から来たことは」
「私からは何も」
左右に首を振るアラキに「――そうですか」と、答えた飛香はそのまま俯く。
飛香の心配事がその点であるとすれば、少なくとも彼女は前向きに受け止めたということになるのだろうか?
そう思いながら、アラキはゆっくりと語りかけた。