アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「私は現在の国籍は日本ですが、ブラジルのサンパウロで生まれそこで育ちました。血で言えば日本人ですが、両親とも祖父の代から向こうに移り住んだ日系ブラジル人です。
当時貧しかったこともあって、ろくに病院にも行けなかったのでしょう。父方も母方も祖父母は早くに亡くなり、私は一人っ子で両親と三人で暮らしていました。その両親も私が高校生の時、マフィアの抗争に巻き込まれて亡くなり、私は天涯孤独になったのです。私がいた街では、そんなことは割とよくある話でした」
アラキの打ち明け話はそんな風にはじまった。
「ひとりになった私は高校を卒業すると同時に、野菜の市場のようなところで働いていました。その野菜の配達先が西園寺家だったのです。
ある時、ご両親がお出掛けになり洸さまだけがお屋敷に残っていた時のことです。
なんとなくいつもと違う空気を感じた私は、隠れるようにして屋敷に入りました。すると丁度、彼は今まさに誘拐されようとしているところだったんです。詳しい事は長くなるので省きますが、私は彼を連れて逃げました。必死でね」
当時貧しかったこともあって、ろくに病院にも行けなかったのでしょう。父方も母方も祖父母は早くに亡くなり、私は一人っ子で両親と三人で暮らしていました。その両親も私が高校生の時、マフィアの抗争に巻き込まれて亡くなり、私は天涯孤独になったのです。私がいた街では、そんなことは割とよくある話でした」
アラキの打ち明け話はそんな風にはじまった。
「ひとりになった私は高校を卒業すると同時に、野菜の市場のようなところで働いていました。その野菜の配達先が西園寺家だったのです。
ある時、ご両親がお出掛けになり洸さまだけがお屋敷に残っていた時のことです。
なんとなくいつもと違う空気を感じた私は、隠れるようにして屋敷に入りました。すると丁度、彼は今まさに誘拐されようとしているところだったんです。詳しい事は長くなるので省きますが、私は彼を連れて逃げました。必死でね」