アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「皆さまがご覧になる場所は、離れているのですよね?」
「ああ、朱鳥が笑顔なのか泣き顔なのかもわからない程度に離れているよ」
本当に聞きたいことは、また聞けない。
「そうですか、よかった」と言って、朱鳥はにっこりと微笑んだ。
本当に聞きたいこと。
――今から向かう藤原家の御曹司、頭中将はどんな方なのですか?
噂では都で一番の出世頭であり、加えて目の覚めるような美男子だという。
評判の美男子といえば兄の蒼絃もそうだ。
風変わりではあるが、謎めいた神秘的な美しさであり、蒼絃は月に喩えられる。
それに対して頭中将は力強く人を照らす太陽のようだと人は言う。
昔、朱鳥が出会った『荘園の君』もまたそんなふうに素敵な人だった。
「ああ、朱鳥が笑顔なのか泣き顔なのかもわからない程度に離れているよ」
本当に聞きたいことは、また聞けない。
「そうですか、よかった」と言って、朱鳥はにっこりと微笑んだ。
本当に聞きたいこと。
――今から向かう藤原家の御曹司、頭中将はどんな方なのですか?
噂では都で一番の出世頭であり、加えて目の覚めるような美男子だという。
評判の美男子といえば兄の蒼絃もそうだ。
風変わりではあるが、謎めいた神秘的な美しさであり、蒼絃は月に喩えられる。
それに対して頭中将は力強く人を照らす太陽のようだと人は言う。
昔、朱鳥が出会った『荘園の君』もまたそんなふうに素敵な人だった。