アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「まあね、君も忙しいだろうし、要件は手短なほうがいいだろう?」

「弟になりたい、というわけか」

「えー、そう言われるとなんだかものすごく微妙に嫌だけど、実際そうなるだろうねぇ」

「飛香はなんて?」

「言ったばかりだから返事はもらっていない。わかっているとは思うが、僕は飛香になにもしていないからな」

「ああ、その点は信用するよ。何かしていればこの窓から突き落とすがな」

「こわーい」

茶化す洸を碧斗はジッと見据えた。
「で、知っているのか?飛香の秘密を」

「え? 秘密? 記憶喪失のことじゃなくて?」

微かに悩む様子をみせた碧斗だったが、意を決したように洸を見つめるとゆっくりと口を開いた。

「これから言うことは他言無用だ。わかったか?」

「わかった。その代わり包み隠さず正確に話してほしい」

碧斗は頷いて話はじめた。
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