アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「三年ほど前になる。飛香は夢を見た。平安時代の夢だったらしい。元々飛香は平安時代に憧れのようなものがあったし、ただの夢ならそれまでも見たことがらしいが、その夢は違ったらしい。その日から飛香は『私は生まれる時代を間違えてしまった』と言い始めた。それからというものみるみるやつれていった。正に夢に憑りつかれた、そんな感じだったよ」
そこで一旦話を切った碧斗は辛そうに眼を伏せた。
「知っての通りわたしの家は花木に命を吹き込む華道家だが、陰陽師の一族でもある。陰陽師には不思議な力がある。今から千年前、強大なその力を持つ者がいた。名前はアオト字は違うが読み方はわたしと同じだ。
彼は彼の生まれ変わりを通して永遠に生きる術をもっていた。たとえばわたしの中に存在するように……」
話がついていけなくなったのか、洸はピクリと目元を歪める。
「そしてそのアオトには妹がいた。彼女の名前はこれもまた字は違うが読み方は私の妹と同じだ」
「アスカ?」
碧斗は頷いて、メモにすらすらと文字を書き洸に見せた。
メモに書かれた文字は『朱鳥』
「その朱鳥もまた、平安の都で生き辛さを抱えていた」
「まさか……」
そこで一旦話を切った碧斗は辛そうに眼を伏せた。
「知っての通りわたしの家は花木に命を吹き込む華道家だが、陰陽師の一族でもある。陰陽師には不思議な力がある。今から千年前、強大なその力を持つ者がいた。名前はアオト字は違うが読み方はわたしと同じだ。
彼は彼の生まれ変わりを通して永遠に生きる術をもっていた。たとえばわたしの中に存在するように……」
話がついていけなくなったのか、洸はピクリと目元を歪める。
「そしてそのアオトには妹がいた。彼女の名前はこれもまた字は違うが読み方は私の妹と同じだ」
「アスカ?」
碧斗は頷いて、メモにすらすらと文字を書き洸に見せた。
メモに書かれた文字は『朱鳥』
「その朱鳥もまた、平安の都で生き辛さを抱えていた」
「まさか……」