アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「そう、今から二年前、飛香と朱鳥は入れ替わったんだよ」

「それで、その……飛香がまた入れ替わる? とか、平安時代に帰る、ということはあるのか?」

「ふたりが望めばそうなる」

「僕が理解できているかどうか確認するが、平成アスカと平安アスカが入れ替わったということなんだな?肉体ではなく、魂?……よくわからないが、その精神的なところで」

「ああ、そうだな」

「で、お前の中にはお前以外に平安時代のアオトもいると」

「そういうこと」

「そして、飛香は本人が望まない限り今のまま、ここに存在する?」

「ああ」

うんうんと頷いた洸は、ソファーに背中を預けた。
ホッとしたように「了解。何も問題ないな」と、ため息をつく。

「え? いや、あるだろ。身内が言うのもなんだが、飛香はあの通り何も知らない」

「箱入り娘というのはそういうものだろう? 別に問題ないじゃないか」
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