アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
『それがわかっていて、飛香をよろしくと言えると思うか』
――ったく、過去がなんだ。
しかも千年も昔のことじゃないか。
『千年前の僕がその……彼女と結婚していることは、飛香も知っているのか?』
『ああ、千年前でもお前は有名だからな、結婚したことは知ってる。
でもまぁ安心しろ、相手の女性が蘭々だとは知らないだろう。お互い顔を合わせたこともないはずだ』
――なにが安心しろだ。ったく。
それにしてもと、ため息をついて洸は項垂れた。
千年前の妻が蘭々だということが、心を重くさせる。
蘭々は性別を超えた親友のひとりである。親友と呼べる女性は蘭々しかいないし、彼女が洸にとって特別な存在であることには違いない。
でも恋人ではないし、恋人だったこともない。
今現在もモデルのLaLaとして活躍している彼女は、青扇学園に入学した当時から有名モデルだった。彼女と近い存在になりたい学生は多く、男女を問わず周りを囲まれていた。
でも蘭々はひとりでいることのほうが好きだったのだろう。
気が付くとひとりでいることが多く、時折ハナミズキの近くにある池のほとりのベンチに座っていることを洸は知っていた。
――ったく、過去がなんだ。
しかも千年も昔のことじゃないか。
『千年前の僕がその……彼女と結婚していることは、飛香も知っているのか?』
『ああ、千年前でもお前は有名だからな、結婚したことは知ってる。
でもまぁ安心しろ、相手の女性が蘭々だとは知らないだろう。お互い顔を合わせたこともないはずだ』
――なにが安心しろだ。ったく。
それにしてもと、ため息をついて洸は項垂れた。
千年前の妻が蘭々だということが、心を重くさせる。
蘭々は性別を超えた親友のひとりである。親友と呼べる女性は蘭々しかいないし、彼女が洸にとって特別な存在であることには違いない。
でも恋人ではないし、恋人だったこともない。
今現在もモデルのLaLaとして活躍している彼女は、青扇学園に入学した当時から有名モデルだった。彼女と近い存在になりたい学生は多く、男女を問わず周りを囲まれていた。
でも蘭々はひとりでいることのほうが好きだったのだろう。
気が付くとひとりでいることが多く、時折ハナミズキの近くにある池のほとりのベンチに座っていることを洸は知っていた。