アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
そんなことを考えつつ、見るとはなしにビル街の風景に泳がせていた視線をふと落とした時、ドアをノックする音が響いた。
「失礼します」と入ってきたのは鈴木だ。
「契約のことなどで蘭々が来てますが、お会いになりますか?」
「ああ、もちろん」
「では、終わったらこちらにお呼びします」
蘭々は西園寺ホールディングスのイメージモデルでもある。その関係で時折このビルに顔を出すが、余程時間がない時でない限り、たとえ立ち話であろうと直接会って話をする。
ただ友人と会って楽しい時間を分かち合うだけのことだが、今のいままで蘭々のことを考えていたせいか、何やら気まずさが心の奥で疼く。
――影響されすぎだ。
そもそもあの銅鏡には何か仕掛けがあるのかもしれない。シスコンの碧斗が妹をあきらめさせようとして……。
洸は眉をひそめながらそう考えたが、その一方で碧斗が言ったことの全てを信じていた。
嘘にしては話が壮大過ぎることもあるし、それに何より碧斗は信頼する友人なのだから。
「失礼します」と入ってきたのは鈴木だ。
「契約のことなどで蘭々が来てますが、お会いになりますか?」
「ああ、もちろん」
「では、終わったらこちらにお呼びします」
蘭々は西園寺ホールディングスのイメージモデルでもある。その関係で時折このビルに顔を出すが、余程時間がない時でない限り、たとえ立ち話であろうと直接会って話をする。
ただ友人と会って楽しい時間を分かち合うだけのことだが、今のいままで蘭々のことを考えていたせいか、何やら気まずさが心の奥で疼く。
――影響されすぎだ。
そもそもあの銅鏡には何か仕掛けがあるのかもしれない。シスコンの碧斗が妹をあきらめさせようとして……。
洸は眉をひそめながらそう考えたが、その一方で碧斗が言ったことの全てを信じていた。
嘘にしては話が壮大過ぎることもあるし、それに何より碧斗は信頼する友人なのだから。