アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「ああ、もちろん僕たちだけで引退パーティをしよう」
「準備は進んでるの?」
「ええ、事務所との契約は来月で終わるけど、もう仕事そのものはないわ。社長もわがままを聞いてくれた」
目立たないようフェードアウトできるよう、仕事は減らし露出を避けていた。
「よかった。で、辞めてからの予定は?」
「そうね、いくつかあるけど、まずは母の実家がある田舎に行ってのんびりしてくるつもり。それからゆっくり考える」
それから少し話をして三十分もしないうちに蘭々は席を立った。
「じゃあね、洸。色々ありがとう、ここでの仕事とても楽しかったわ」
「そっか、ここで会うのは今日で最後なんだな。ま、でも僕たちの友情は一生変わらないし」
「ふふ、そうね」
「じゃあね」
「うん、またね」
扉に手をかけたまま、廊下を歩きはじめた蘭々の後ろ姿を見つめるうち、
洸は何かを言わなければいけないような気がした。
「蘭々、困ったことがあったら何時でも言って」
振り返った蘭々はほんの一瞬戸惑ったように見えたが、次の瞬間には薔薇の花が咲いたような笑顔で「ありがとう、コウ。じゃあね」と手を振った。
「準備は進んでるの?」
「ええ、事務所との契約は来月で終わるけど、もう仕事そのものはないわ。社長もわがままを聞いてくれた」
目立たないようフェードアウトできるよう、仕事は減らし露出を避けていた。
「よかった。で、辞めてからの予定は?」
「そうね、いくつかあるけど、まずは母の実家がある田舎に行ってのんびりしてくるつもり。それからゆっくり考える」
それから少し話をして三十分もしないうちに蘭々は席を立った。
「じゃあね、洸。色々ありがとう、ここでの仕事とても楽しかったわ」
「そっか、ここで会うのは今日で最後なんだな。ま、でも僕たちの友情は一生変わらないし」
「ふふ、そうね」
「じゃあね」
「うん、またね」
扉に手をかけたまま、廊下を歩きはじめた蘭々の後ろ姿を見つめるうち、
洸は何かを言わなければいけないような気がした。
「蘭々、困ったことがあったら何時でも言って」
振り返った蘭々はほんの一瞬戸惑ったように見えたが、次の瞬間には薔薇の花が咲いたような笑顔で「ありがとう、コウ。じゃあね」と手を振った。