アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「で? 碧斗に反対されたってわけか」
洸は、返事をする代わりに肩をすくめた。
「千年前の燎の妻も鈴木の妻も今の婚約者だそうだ。『歴史は繰り返されると思わないか?』だってさ」
「よりによって……碧斗も余計なこと言うなぁ」
仁にとっても親友である蘭々の存在は特別である。だから、洸の気持ちは痛いほどわかった。
他の女ならいざしらず蘭々が結婚相手だったと言われたら、過去の話だと笑い飛ばせない重みがある。
「それで、お前が飛香と結婚したとすると、蘭々はどうなるんだって?」
「さあ、先のことはわからないって言ってたな。碧斗がわかるのは平安時代のアオトがいる時の事と、今だけだそうだ」
「ったく、なんだそれ。肝心なことはうやむやか」
仁はチッと舌を打つ。
「もちろん、僕はこれからも蘭々を大切にするよ。親友として、何かあればすぐに駆けつけるつもりだし」
「あいつは結婚なんかしないって言ってるしな。まぁ、もしかしたら結婚するかもしれないが、今までだって蘭々に恋人がいなかったわけじゃない。千年も昔の話だ、気にするな。今の蘭々は、お前を親友としか思ってないよ」
そう言って仁は、口の端で微笑んでみせた。
洸は、返事をする代わりに肩をすくめた。
「千年前の燎の妻も鈴木の妻も今の婚約者だそうだ。『歴史は繰り返されると思わないか?』だってさ」
「よりによって……碧斗も余計なこと言うなぁ」
仁にとっても親友である蘭々の存在は特別である。だから、洸の気持ちは痛いほどわかった。
他の女ならいざしらず蘭々が結婚相手だったと言われたら、過去の話だと笑い飛ばせない重みがある。
「それで、お前が飛香と結婚したとすると、蘭々はどうなるんだって?」
「さあ、先のことはわからないって言ってたな。碧斗がわかるのは平安時代のアオトがいる時の事と、今だけだそうだ」
「ったく、なんだそれ。肝心なことはうやむやか」
仁はチッと舌を打つ。
「もちろん、僕はこれからも蘭々を大切にするよ。親友として、何かあればすぐに駆けつけるつもりだし」
「あいつは結婚なんかしないって言ってるしな。まぁ、もしかしたら結婚するかもしれないが、今までだって蘭々に恋人がいなかったわけじゃない。千年も昔の話だ、気にするな。今の蘭々は、お前を親友としか思ってないよ」
そう言って仁は、口の端で微笑んでみせた。