アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「家政婦さんは? 今日は来るの?」
「いいえ、日曜日はお休みして頂いてます」
「いつもは何時に来るの?」
「夕方四時頃に来てくださるんですよ。土曜日は十時頃に来て、家事以外に色々教えてもらっています」
「そう。どう? 護身術は」
「うふふ。強くなりましたよ」
「そっかー、じゃあ後で試してみよう」
そんなことを話すうち、マンションに着いた。
「ここだよ」
「え?! ここですか?」
見上げる首が痛くなる。冗談みたいに高いタワーマンションである。
「夜景がね、本当にキレイなんだ」
それはそうだろうと思いながら、飛香は洸の背中に付いていった。
平安の都で見た、淡く揺れる蛍の光を思い出す。兄の吹く横笛を聞きながら庭の川面を見つめた夏の風物詩。
でも今は、それよりも見たいと思った。
ーーこの見上げるマンションの一室から。
宝石のように輝く夜景を、前を歩く洸とふたりで。
「いいえ、日曜日はお休みして頂いてます」
「いつもは何時に来るの?」
「夕方四時頃に来てくださるんですよ。土曜日は十時頃に来て、家事以外に色々教えてもらっています」
「そう。どう? 護身術は」
「うふふ。強くなりましたよ」
「そっかー、じゃあ後で試してみよう」
そんなことを話すうち、マンションに着いた。
「ここだよ」
「え?! ここですか?」
見上げる首が痛くなる。冗談みたいに高いタワーマンションである。
「夜景がね、本当にキレイなんだ」
それはそうだろうと思いながら、飛香は洸の背中に付いていった。
平安の都で見た、淡く揺れる蛍の光を思い出す。兄の吹く横笛を聞きながら庭の川面を見つめた夏の風物詩。
でも今は、それよりも見たいと思った。
ーーこの見上げるマンションの一室から。
宝石のように輝く夜景を、前を歩く洸とふたりで。