アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
――でも、そんなはずはない。蒼絃さまだって人なのだから。
「姫さま、元気を出しましょう。
そうそう、左大臣さまから頂いた布でお着物を作りましょう。姫さまはお裁縫がお好きなんですし」
「あ、そうね。今のうちに兄君の冬の着物の刺繍をしようと思っていたの」
貴族の女性の必須教養と言われる裁縫だが、朱鳥はこの裁縫が好きだった。
何の変哲もない布が裁縫によって命を吹き込まれていく様は、感動を湧き起こす。
「北の釣殿のほうは涼しいですから、準備してきますね」
屋敷は小さいが、釣殿と呼ばれる渡り廊下の先の部屋は、遣水を渡る涼しい風が吹き抜けてとても心地よい。
「ありがとう」
海未を見送ったあと、朱鳥もゆっくりと立ち上がった。
「姫さま、元気を出しましょう。
そうそう、左大臣さまから頂いた布でお着物を作りましょう。姫さまはお裁縫がお好きなんですし」
「あ、そうね。今のうちに兄君の冬の着物の刺繍をしようと思っていたの」
貴族の女性の必須教養と言われる裁縫だが、朱鳥はこの裁縫が好きだった。
何の変哲もない布が裁縫によって命を吹き込まれていく様は、感動を湧き起こす。
「北の釣殿のほうは涼しいですから、準備してきますね」
屋敷は小さいが、釣殿と呼ばれる渡り廊下の先の部屋は、遣水を渡る涼しい風が吹き抜けてとても心地よい。
「ありがとう」
海未を見送ったあと、朱鳥もゆっくりと立ち上がった。