アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
――子供の頃はよかったな。
もっと自由に外にも出られたし、何をしていても楽しかった。
暑ければ着物を濡らして川で水遊びもできたというのに。
今はとにかく耐えることばかりで、つまらないし退屈だ。
そう思いながらため息をついた。
それにしてもこの夏は暑い。
ため息をついただけでも汗が出る。
――そうだわ!
朱鳥は、持ってきた生絹(すずし)を取り出した。
下は赤袴だが上に羽織るこの生絹という衣は、風通しはとてもいいが透けるので胸も丸見えになる。
間違っても人前に出られる姿ではないが、その分とても涼しい。
ここは別荘だし、人といっても海未以外に顔を合わせることはないから心配はない。
朱鳥は嬉々として生絹の袖に腕を通した。
薄い青に染めた生絹は清々しい。
衣から透かせて見る手の感じや、重なり合って濃淡がでるさまはいつまでも眺めていたいほど美しかった。
もっと自由に外にも出られたし、何をしていても楽しかった。
暑ければ着物を濡らして川で水遊びもできたというのに。
今はとにかく耐えることばかりで、つまらないし退屈だ。
そう思いながらため息をついた。
それにしてもこの夏は暑い。
ため息をついただけでも汗が出る。
――そうだわ!
朱鳥は、持ってきた生絹(すずし)を取り出した。
下は赤袴だが上に羽織るこの生絹という衣は、風通しはとてもいいが透けるので胸も丸見えになる。
間違っても人前に出られる姿ではないが、その分とても涼しい。
ここは別荘だし、人といっても海未以外に顔を合わせることはないから心配はない。
朱鳥は嬉々として生絹の袖に腕を通した。
薄い青に染めた生絹は清々しい。
衣から透かせて見る手の感じや、重なり合って濃淡がでるさまはいつまでも眺めていたいほど美しかった。