アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「あまりに美しいので、つい……」
「み、見たのですかっ?!」
「あ、い、いやその。――ちらっとだけ」
やっぱり見たのねっ!と悲鳴をあげそうになったところを必死に堪えた。騒げば頭中将はまた振り返るに違いない。
この状況にクラクラしながら、朱鳥はその場にしゃがみこんだ。とにかく透けて丸見えの上半身を隠さなければならない。
――と、とにかく、そこをどいて!
じゃないと屏風の陰にも几帳の陰にも入れないじゃない!
と心が叫ぶが。
「蒼絃は?」
頭中将は一向に立ち去る様子を見せない。
仕方なく朱鳥はその姿勢のまま答えた。
「兄は山に行きましたので、ここにはおりません」
「そうですか……。
あの、あなたは先日の舞姫?」
「み、見たのですかっ?!」
「あ、い、いやその。――ちらっとだけ」
やっぱり見たのねっ!と悲鳴をあげそうになったところを必死に堪えた。騒げば頭中将はまた振り返るに違いない。
この状況にクラクラしながら、朱鳥はその場にしゃがみこんだ。とにかく透けて丸見えの上半身を隠さなければならない。
――と、とにかく、そこをどいて!
じゃないと屏風の陰にも几帳の陰にも入れないじゃない!
と心が叫ぶが。
「蒼絃は?」
頭中将は一向に立ち去る様子を見せない。
仕方なく朱鳥はその姿勢のまま答えた。
「兄は山に行きましたので、ここにはおりません」
「そうですか……。
あの、あなたは先日の舞姫?」