アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
海未が朱鳥を見つけた時、朱鳥は衣桁(いこう)に掛けた生絹を見上げていた。
「こちらにいらっしゃったのですね。お見えにならないのでどうかなさったかと」
「生絹を着ようかと思ったの」
「では、お昼寝される時に着替えましょう」
「そうね」と言いながら、朱鳥はついさっきここを出て行った頭中将のことを考えていた。
――背も高く、狩衣もよく似合って、頭中将は噂とおり素敵な公達だった。
『また、会いに来てもよろしいですか?』
もしかすると、あの言葉はただ舞を見たいという意味だったのかもしれない。
こうして落ち着いて考えてみると、そんな気がしてきた。
特別な意味などなかったのかもしれないのに、私は一方的に早とちりをして拒絶するような言い方をしてしまった。
「こちらにいらっしゃったのですね。お見えにならないのでどうかなさったかと」
「生絹を着ようかと思ったの」
「では、お昼寝される時に着替えましょう」
「そうね」と言いながら、朱鳥はついさっきここを出て行った頭中将のことを考えていた。
――背も高く、狩衣もよく似合って、頭中将は噂とおり素敵な公達だった。
『また、会いに来てもよろしいですか?』
もしかすると、あの言葉はただ舞を見たいという意味だったのかもしれない。
こうして落ち着いて考えてみると、そんな気がしてきた。
特別な意味などなかったのかもしれないのに、私は一方的に早とちりをして拒絶するような言い方をしてしまった。