アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
気のない返事をしながら廊下を進むと、明るい笑い声が扉の向こうから聞こえてきた。
「僕がいなくても随分と楽しそうだけどね」
皮肉めいた洸の物言いには慣れている。サワは、少し大げさなくらいに大きく目を見開いた。
「あらまあ焼きもちですか? それが洸さま、とても感じが良くて、可愛いお客さまなんですよ」
「へぇー、サワがそんなに褒めるなんて珍しい」
このサワというメイドは気性がはっきりしていて、わかりやすい。客をけなすことはないが、少なくとも思ってもいないことは口に出さないのが常だ。
わざわざ聞いてもいない感想を言うところをみると、よほど客に好感を持っているのだろう。
「だって、今どき珍しいくらい、純粋なお嬢さんなんですよ」
サワが扉を軽く叩き「洸さまがお帰りになりました」と声をかけた。
と、同時に笑い声がピタリと止まる。
「僕がいなくても随分と楽しそうだけどね」
皮肉めいた洸の物言いには慣れている。サワは、少し大げさなくらいに大きく目を見開いた。
「あらまあ焼きもちですか? それが洸さま、とても感じが良くて、可愛いお客さまなんですよ」
「へぇー、サワがそんなに褒めるなんて珍しい」
このサワというメイドは気性がはっきりしていて、わかりやすい。客をけなすことはないが、少なくとも思ってもいないことは口に出さないのが常だ。
わざわざ聞いてもいない感想を言うところをみると、よほど客に好感を持っているのだろう。
「だって、今どき珍しいくらい、純粋なお嬢さんなんですよ」
サワが扉を軽く叩き「洸さまがお帰りになりました」と声をかけた。
と、同時に笑い声がピタリと止まる。