アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「お口に合うかしら?」
「それはもう、とても、とても美味しいです!」
興奮して張り上げた自分の声の大きさに驚いて恥ずかしそうに俯く飛香を、西園寺夫人が優しい声で包み込む。
「よかったわ。そういえば藤原家の男性陣はシンプルな物しか召し上がらないそうね。お母さまから聞いたことがあるわ」
「はい。そうなんです」
那須の別荘での藤原家での食事は、見た目も味も、よく言えば素材そのままだった。野菜サラダと味噌汁かスープ、そしてメインは肉か魚を煮るか焼くか。味付けも塩コショウ、もしくは醤油とみりんだけというわかりやすい味の料理ばかり。
以前は時々凝った物を作ったらしい母も、父や兄がそういったシンプルな物しか箸を出さないので作るのをやめたという。
「我が家の男たちは、夕食はワインを愉しむための食事ね」
そう聞いた飛香がちらりと洸を見ると、彼は今まさに手にしたワイングラスを口にしてるところだった。
「それはもう、とても、とても美味しいです!」
興奮して張り上げた自分の声の大きさに驚いて恥ずかしそうに俯く飛香を、西園寺夫人が優しい声で包み込む。
「よかったわ。そういえば藤原家の男性陣はシンプルな物しか召し上がらないそうね。お母さまから聞いたことがあるわ」
「はい。そうなんです」
那須の別荘での藤原家での食事は、見た目も味も、よく言えば素材そのままだった。野菜サラダと味噌汁かスープ、そしてメインは肉か魚を煮るか焼くか。味付けも塩コショウ、もしくは醤油とみりんだけというわかりやすい味の料理ばかり。
以前は時々凝った物を作ったらしい母も、父や兄がそういったシンプルな物しか箸を出さないので作るのをやめたという。
「我が家の男たちは、夕食はワインを愉しむための食事ね」
そう聞いた飛香がちらりと洸を見ると、彼は今まさに手にしたワイングラスを口にしてるところだった。