きみと1番目の恋
郁人くん行きつけの
居酒屋の扉を開けると
店内は陽気なサラリーマンで
賑わっていた。
話し声がうるさいだとか
仕事の愚痴を言う声が鬱陶しいだとか
そんな事は思わない。
この人達は、私よりも長く
社会に出て毎日を懸命に生きている人達だ。
不満はあっても家族のために。
愚痴を言いたくてもグッと堪え。
気心知れた仲間達と飲み明かす。
ここは憩いの場であり
貴重な時間を共有する場所だ。
郁人「ごめんね、俺
オシャレな店とか
全然知らなくてこんな店で。」
でも、大学生の彼は賑やかな店内に
眉をひそめ私に頭を下げた。