きみと1番目の恋

フォローしようとして
また爆発して...彼といる時の
私はいつもの私でいられない。

武彦の前では。広菜の前では。
同僚の前では。後輩の前では。
コントロールが出来るのに
相手が郁人くんだと
私はいつもしくじってしまう。

郁人「でも、それが翼さんでしょ?」

初めは嫌いだった彼の笑顔が
今は私の安定剤だ。

翼「人から嫌われる事がって事?」

郁人「違うよ。
嫌われる事を恐れない事だよ。
相手を大切に思ってるから慰める。
褒める。励ます。なんてのは建前で本心は
皆、相手に良く思われたいだけなんだよ。
その場でそう取り繕えば
この人はいい人だって印象が残る。
人が人を持ち上げる時、計算の上で
その状況が成り立ってる。
でも、厳しい事を言うのって
本当に相手を大切に思ってるからこそ
出来る事だと俺は思うよ。」

だって、郁人くんはいつもこんな風に
私の事を受け入れてくれる。

その優しさに甘えたくなる。
明日も明後日も会いたいと思ってしまう。
いつでも話がしたいと思ってしまう。
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