きみと1番目の恋

翼「心配?」

郁人「翼さんの心がいつか
ポキッと折れちゃうんじゃないかって
心配してる。今のままの関係を
ずっと続けていくのって、きっと
すごく辛い事だと思うから。」

翼「いいの。孤独には慣れてるから。」

郁人「そっか。」

突き放したその距離はもう二度と
永遠に戻らない。

さっきの言葉を言わなければ...
1秒でも早く否定の言葉を
口にしていれば...
彼とのこれからが変わったかもしれない。

芽生えた好意を認め
武彦との別れを今この瞬間に
決めていたならば...
何かが違ったかもしれない。

だけど、それでいい。

ハッキリと分かった。
今、この瞬間に...全てが...。

彼も武彦と同じ。
手に入らない人間なのだと。

私と彼は出会うべきでは
なかったんだと。

それっきり彼と会う事はなくなった。
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