きみと1番目の恋
初めて言えた本音
結局、武彦には聞けなかった。
奥さんのお腹に赤ちゃんがいる事を
問い詰める事も出来ないまま
相変わらず、曖昧な関係が続いていた。
変わった事と言えば、前よりも私が
武彦の事を純粋に愛せなくなった事だろう。
そのおかげなのか、そのせいなのか
以前にも増して会う回数は増えていった。
嬉しい変化だと喜ぶべきだろう。
相変わらず、武彦の都合のいい時にしか
会えないけれど、私の事を
考えてくれる時間が増えたと
もっとポジティブに捉えるべきだろう。
だけど、隙間みたいなものが
邪魔をしてポジティブには
捉えられなくなっていた。
その反動とでも言うのだろうか。
私はほとんど毎日
郁人くんの働くBARへと顔を出した。