きみと1番目の恋

郁人くんの元から離れなければ
確実に今よりは知らない彼は
いなかった。武彦との関係を
あの時、終わらせていれば
こんな風に深く傷付く事もなかった。

結果的にとか、今更ながらの後悔とか
そんなものは考えても無意味だけれど
もしもタイムスリップ出来るのなら
1年前のあの日に戻りたいと思った。

郁人「あーあ、これで
俺の方が2ランクダウンだな。」

感傷的な気分に陥っていると
郁人くんは、公園のブランコを
友達に取られた子供のように
つまらなさそうな声をあげる。

翼「2ランクダウン?」
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