きみと1番目の恋

翼「...出来なくなったの。
ずっと私は物分かりのいい女
だったから。今更、出来ないよ。」

郁人「さっきの彼の事だよね?
...追いかけなくてよかったの?」

翼「...追いかけられないよ。」

ーピーッピーッ

微かな電子音が聞こえると
彼は厨房へと向かって行った。

郁人「ちょっと待ってて!」

しばらくして戻ってきた
彼の手にはケーキがあった。

郁人「ハッピーバースデー!翼さん。」

翼「何で...私の名前...?」

郁人「俺は何でも知ってる。なんてね。
とりあえずローソク消して!」

言われるがまま息を吹きかけると
その火は案外簡単に消えた。
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