きみと1番目の恋


郁人「お待たせしました。」

素っ気ない態度を取ってくれる
郁人くんのその気遣いが嬉しい。

シャンパンが届くと
武彦は一気に飲み干した。

最悪だ。と思った。

でも、私が武彦を止める前に
奥に戻ろうとする
郁人くんの事を呼び止めた。

武彦「ねぇ、君!」

郁人「はい。どうされました?」

武彦「この店、辞めてくれない?」

嫌な予感は高確率で命中する。
不倫とは言え、武彦は
独占欲の塊みたいな人間だ。

勘づかない訳がない。
私の態度の変化に
気付くくらい朝飯前だ。

もっとちゃんと考えれば良かった。
...なんて、今更思ったって仕方がない。
事態は最悪な状況だ。
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