きみと1番目の恋
消えたローソクを取りながら
彼は話を続ける。
郁人「俺さ、昼間は
カフェでバイトしてるじゃん。
翼さんの会社の人達よく来るから。
いつも翼さんの事言ってるよ。」
翼「...悪口ばっかでしょ。
ほとんど歳も変わらないのに
チーフになったからって調子に乗ってる。
上から目線でいちいち偉そう。
キャリアウーマン風な所がウザい。
とか、ざっとそんな所?」
郁人「翼さんって意外と
面倒くさい人なんだね。」
翼「いちいち悪意あるね、君は。」
私がそう言うと彼は少しだけ
ムッとした表情を浮かべた。
郁人「郁人。俺の名前は日向 郁人。」
まさか、呼び方が
気に入らなかっただけだとは
思わなかったけど。
20歳そこそこの男の子に《君》は
失礼だったかもしれない。