きみと1番目の恋
翼「ああ、ごめん。
郁人くんっていちいち
悪意あるよね。」
郁人「別に言い直さなくても
良かったのに。
いちいち傷付くんだけど。」
翼「ごめん。」
郁人「まあ、でも、うん。許す。」
私の嫌味も笑って受け止める。
彼の笑顔は本物なのかもしれない。
郁人「確かにさ...愚痴はいっぱい
言ってたよ。...でも、俺は
頑張ってる人だと思った。
いつもは話を聞くだけだったけど
今日見かけた時すぐに翼さんの事
ちゃんと分かったよ。」
翼「どうして?」
郁人「怒ってたでしょ?
ここは忙しい人達が合間を縫って
ランチを食べたり一生懸命
頑張ってる人達がコーヒーを
飲んで休憩する場所だって。
それ見てて、あ!この人翼さんだって
そう思った。あんな言葉
頑張ってる人にしか言えないから。」
例えば、彼が私の事を誕生日に
恋人に置いてけぼりにされた
惨めな女だと思って
慰めてくれるのだとしても
確かに心は満たされた。
彼の言葉が私の心を満たしてくれた。