きみと1番目の恋

手に持ったカバンをもう一度
イスの上に置くと
座る事なく武彦は尋ねた。

武彦「翼はどうしたいの?」

翼「どうしたいって?」

武彦「翼はいつもそうだよ。
私はどうしたらいい?
武彦はどうしたい?って
そればっかり。
お前に自分の意思はないのかよ?」

...ない訳がない。
何を今更、分かりきった事を...。

そうさせなかったのは自分のくせして
何を今更言ってるんだ。

だけど、この4年間の習慣のせいか
武彦への態度には細心の
注意を払っていたせいか
言葉が上手く出て来ない。
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