きみと1番目の恋

潔くて良かったじゃないか!
終わらせたいと思っていた事を
終わらせられて良かったじゃないか!
と、ポジティブに考える事も出来る。

だけど、ちっぽけなプライドは
それさえも許さない。

こんなに傷付いたのに
こんなに悲しい思いをしたのに
こんなに寂しかったのに
終わらせるのは私だったはずなのに
何で...私が...振られるんだよ。

何で...この4年間を今更
否定されなきゃならないんだよ。

言いたい言葉を吐き出そうと
決めたのに。ようやく決意したのに。
武彦は乱暴にお札を置き
その場からいなくなった。

哀れに思ったのかマスターが
新しいお酒を私の前に置いてくれた。
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