きみと1番目の恋
翼「だって言ったって叶わないでしょ?
私がこれから先こうしたいとか
今からここへ行きたいとか
この日に会いたいとか
ちゃんと伝えたってどうせ
叶わないのに何であんな事
言われなきゃならないの?」
決壊したダムのように
次から次へと言葉が溢れ出した。
翼「私だってお正月には初詣に行きたいし
お盆休みには旅行にだって行きたいし
クリスマスには一緒に過ごしたいけど
そんな事言ったって、武彦を
困らせるだけだって分かってるから
何にも言わなかったのに。
武彦に嫌われないように
武彦の負担にならないように
武彦のペースに合わせてたのに
何で私が振られるの?」
本当にズルい。私は。
彼を困らせると分かっておいて
思いやる事さえも出来ないんだ。