きみと1番目の恋

郁人「話してみたら
何かが見えるかもしれない。
人間って口にしてみると
意外と色んな事を考えてるもんなんだよ。
無口なように見えても実は頭の中は
お喋りだったり、ぼーっとしてるように
見えても色んな思いが頭の中を
駆け巡っていたり、そうゆうもんだよ。」

翼「でも、話したって変わらないよ。」

郁人「変わらないかもしれない。
何かが変わるかもしれない。
でも、確かめる方法はそれしかない。
翼さんがちゃんと向き合いたいって
思うなら、逃げずに話したいって
思うなら、俺は武器になるよ。」

翼「武器?」

郁人「うん。だって、ほら。
勇者には武器が必要でしょ?
どんなに強い勇者でも
必ず武器は持ってるから。
生身で戦いに行くのは怖いから。
ゲームの中でだって怖いんだから。
翼さんも武器くらい
身に付けたっていいでしょ?」
< 190 / 387 >

この作品をシェア

pagetop